和歌と俳句

原 石鼎

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燈置けば百合本箱に映りけり

頬冠杣に真葛が中の雲の峰

杣が頬に触るる真葛や雲の峰

山の香の庵おそひ来る夕立かな

真清水の杓の寄附まで山長者

行く涼し谷の向の人も行く

山人の腹にしみたる氷水かな

腰元に斧光る杣の午睡かな

ひきかけて大鋸そのままや午寝

朝日影横這ふ朴や深山

向日葵や腹減れば炊くひとり者

星天に干しつるる衣や杣が夏