みづうみの青さ目にしむ昼寝覚
足のうら二つそろへて昼寝かな
ありがたき風に居るなり昼寝覚
避暑の宿夕風にみな灯りけり
汗冷えて国原の見のはろけしや
汗の玉ふつふつ結びやまぬかも
若者の汗旺んなる力業
俥挽うなじの汗を見られつつ
扇風機むなしき卓を吹き払ふ
走馬灯簷端の闇とたたかへり
恋すてふわが名は立ちぬ夏やつれ
夏痩をまをしあひけり家族風呂
噴水や芝青々とお茶の会
ふけわたる草木の風に端居かな
妻の来ておしろい匂ふ涼みかな
をとめらの棟は早寝や避暑の宿
蚊遣火の煙の末をながめけり
みづうみに月のさしたる蚊遣かな
女房とうきよばなしの蚊やりぐさ
蚊火げむり哀しきひとをかくしける
山の木のうすゆふばえやほととぎす
ほととぎす夕影深くなりにけり
花消えしぼうたんの葉やほととぎす
夕潮のみちわたりけり葭雀