浅草
浅草の焼けあと吹ける南風かな 万太郎
茂吉
浅草の 晩春となり 人力車ひとつ北方へむかひて走る
茂吉
浅草の 観音堂に たどり来て をがむことあり われ自身のため
雷除のお札を髪に暑さかな 万太郎
四萬六千日の暑さとなりにけり 万太郎
浅草のむかしの空の薄暑かな 万太郎
冬の灯の浅草のどの道来しや 汀女
月仰ぐ浅草うまれ同士かな 万太郎
浅草の句碑の夜寒のことしより 万太郎
浅草の秋の暮はやみなぎる灯 爽雨
さみだれや足場の中の浅草寺 万太郎
浅草の辛子の味や心太 万太郎
どぜう汁神輿待つ間にすすりけり 万太郎
風鈴の舌ひらひらとまつりかな 万太郎
浅草の秋はなやかにゆくをみよ 万太郎
切山椒浅草はかく去りがたき 汀女
春の星たたむ露店の手順かな 汀女
寒椿待てば浅草オペラ湧く 不死男