俊頼
ちぎりありて わたりそめなば 隅田川 かへらぬ水の こころともがな
師頼
隅田川 井堰にかかる 白波の たちかへるべき ここちこそせね
頼政
舟わたす すみだ川原に 降る雪の 色にまがへる みやこ鳥かな
俊成
わがおもふ人にみせばやもろともに隅田川原の夕暮の空
西行
昔思ふ心ありてぞながめつる隅田河原の有明の月
良経
昔おもふ隅田川原に鳥もゐば我も昔のこととはてやは
慈円
鳥もがな 都はるかに すみだ河 とはばや人の 夜はのねざめを
定家
水茎のあとかきながすすみだ川ことづてやらむ人もとひこず
定家
秋風に夜わたる月のすみだ川ながめむそらはみやこなりとも
定家
ゆふ霧にこととひわびぬすみだ川わが友舟もありやなしやと
此暑氣に樓舟なし隅田川 素堂
夕月や杖に水なぶる角田川 越人