和歌と俳句

加藤暁台

恋々とはなにしづめり嵐山

西寺のさくら告来よ老鼠

散につけさくらにとしを語り合

をとつ日の花の中より遅ざくら

ほつとりと咲しづまりぬおそ桜

磯山やさくらのかげのみさご鮓

影すむやうぐひながれて散さくら

山鳥のねに行かたやよしの川

この別山ぶき鈍くふぢ愚なり

鳥声を呑て地に有春の雲

うつの山一日春と別れたり

行春やつひに根付しさかの松

どちへ行雲とも見えず春一日

春をしと見やれば落る木の葉有