和歌と俳句

原 石鼎

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天牛のひげの節々旱天へ

旱天や暮れてなほある松の青

守宮みな今年小さき旱かな

旱天に灯を消して寝し間借人

紗の幌の俥中の人や夏帽子

蟇の背を上る蟻あり夕立あと

羽蟻一つ石をのぼりてころげけり

いちさきになく蝉涼し朝の庭

泳ぎ込む蟹の脚見え土用浪

死にしふりして蟹あはれ土用浪