君が代は 浜の真砂の 上にまた うちおくなみの 数もたえなで
春日山 神のちかひに かかりつつ めぐみをまつと みゆる藤浪
新古今集・神祇
神風や 玉串の葉を とりかざし 内外の宮に 君をこそ祈れ
きみをわが 心のままに いはひおく その言の葉も 限りこそあれ
三笠山 こたかき藤の 裏葉には わきて春日も まづや射すらむ
いく千代か 君は見るべき 有明の 月に花さく 松のこずゑを
月影も 松の緑に 色はえて 千代まですまむ けしきなるかな
よよをへて こたかき宿の 松なれば かかれる月の 影ぞ涼しき
千代ふべき 宿とやかねて 知りぬらむ 竹の葉風も そよとこたふる
この君の 千代のみかげの あたりこそ 風のつてまで 涼しかりけれ
風さやぐ 籬の竹の 節ごとに そそやわ君 よろづよまでと
春にあへる この門松を わけきつつ われも千代へむ うちに入りぬる
この君の なからましかば いつとなく 誰と千歳の 数をかぞへむ
いつとなく 君によはひを ゆづりはの なほとことはに さかゆべらなり
天てらす 月日にめぐむ くらゐ山 としにこたかく なりぞますべき
つるかめも よはひつきなむ 後はなほ 君がみかげに かくろへて住め
よろづよと 君をよばへば 春日山 山彦さへぞ こゑ合はすなり
君が代に しらたま椿 いくたびか なほさかゆかむ つゑにきるべき
音羽山 清きながれの 滝の糸は 千代をへつつも 君ぞ結ばむ
君がへむ 千歳のかずに 寄る浪を 松にかけてや かみも知るらむ