あたたかな雨がふるなり枯葎
鶯や山をいづれば誕生寺
死はいやぞ其きさらぎの二日灸
蝶蝶や順礼の子のおくれがち
門しめに出て聞て居る 蛙かな
土器に花のひつつく神酒哉
山吹の垣にとなりはなかりけり
蒟蒻につつじの名あれ太山寺
鶴の声これより空の長閑なり
あたたかに白壁ならぶ入江哉
病人の巨燵消えたる余寒かな
君行かばわれとどまらば冴返る
野辺送りきのふもけふも冴え返る
毎年よ彼岸の入に寒いのは
初午や土手は行来の馬の糞
蛙皆うたふ水口まつり哉
人もなし野中の杭の凧
摘草や三寸程の天王寺
雛祭り二日の宵ぞたのもしき
めでたしや娘ばかりの雛の宿
旅人や馬から落す草の餅
我庭に歌なき妹の茶摘哉
はりもののもみ衣匂ふ春日哉
旅籠屋に夕餉待つ間の暮遅し