和歌と俳句

川端茅舎

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日のひかり露の微に入り細に入り

露の宿附箋の手紙届きけり

掌中にの硬さの小気味よさ

掌中のとて汗を握り〆め

掌中の汗ばむ栗の肌の艶

栗の肌黒本尊はてりたまふ

墓の前低き紅葉の一枝なる

ちゝはゝの俄かに恋し曼珠沙華

蒼穹を鵙ほしいまゝ曼珠沙華

蟲の闇銀杏は乳房垂れにけり

鏡花めく唐縮緬の案山子かな

の寺鮑の貝を御本尊

甃硯のごとき良夜かな

八ケ岳露の御空を噛みにけり

芋の葉や露の薬研の露微塵

葉月汐鴎の袂長きかな

芋の露直径二寸あぶなしや

青芭蕉一丈露を飛ばしけり

露打つて翔りし影は天の

猛り柿祭壇のごとくなり

十三夜隴まつすぐに霧の這ふ

霧の森島のごとくになりにけり

少年よ芋の葉を打擲する勿れ

白菊に今宵の酒をそとふくみ