西開くままに流燈西へ行く
流燈群横切りしその舟にわれ
湖に出て光体はただ盆の月
月の下花火瓔珞ぶらさがる
燈を持たず来し堂塔の天の川
籾山に乗りて沈みて子は遊ぶ
海浪を爆破す冬の裏日本
嗽ラガー闘ふ場を濡らす
雪掻きて雪嶺に白き道つくる
積雪の嶺樹氷にて天に触る
さし覗く林間暗き樹氷林
樹氷凝る汝は何の木と知れず
虎落笛樹氷の林抜けるとき
雪嶺の大三角を鎌と呼ぶ
涸川を眼伝ふ海に出づるまで
火気を禁じて方丈に炭の饗