山口青邨

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

蜜豆や広告塔のうつる水

降り出して明るくなりぬ杜若

に向つて歩む数歩かな

へろへろとあふがれ上るかな

暮れんとす山王台の燕かな

青芒朝の日あたる二三枚

夏山の重畳たるに熔鉱炉

鮎鮓や旅も終りの汽車の中

暑くなる蓴の池を去りにけり

風吹けば白百合草を躍り出づ

鵜の羽のこぼれてゐたるかな

さうび一重の白をよしと思ふ

みちのくは草屋ばかりやつばくらめ

田植餅どつさりもらひすべもなし

上水に垂れ下りたる新樹かな

押しあひて生つてゐるなる実梅かな

鮎宿の下駄の鼻緒を切らしけり

子供来てまた取つてゆくゆすらうめ

栗の花匂ふお山もありにけり

鮎籠のころがつてゐる厨かな

丹沢も石老山も梅雨ぐもり

山はみな栗の花咲く高尾口

草刈りしあとに蕗の葉裏返る

わが庭に椎の闇あり梅雨の月

亀の子の迷ひ来れり梅雨の宿

子規 漱石 龍之介 碧梧桐 虚子 鬼城 泊雲 亜浪 山頭火 普羅 放哉 風生 水巴 蛇笏 月二郎 みどり女 石鼎 喜舟 しづの女 かな女 万太郎 犀星 久女 淡路女 秋櫻子 素十 夜半 麦南 悌二郎 鷹女 多佳子 青畝 耕衣 茅舎 汀女 三鬼 草田男 不死男 誓子 草城 爽雨 不器男 立子 林火 楸邨 静塔 鳳作 たかし 波郷
俳句 春の季語 夏の季語 秋の季語 冬の季語 短歌 歌枕
おくのほそ道 野ざらし紀行 鹿島詣
和歌と俳句