和歌と俳句

正岡子規

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我心 いぶせき時は さ庭べの 黄菊白菊 我をなぐさむ

我うさを なごめてさける 菊の花 繪にし寫して 壁にかけてん

冬寒き 風松が枝を 吹くなへに 木陰の菊は 色あせにけり

我庭に さかりにさける 菊の花 折りてかざさむ 人もあらなくに

菊の花 咲けらく見れば 草つゝみ 病める心の さぶしくもあらず

うつせみの 我足痛み つごもりを うまいは寐ずて 年明けにけり

枕べの 寒さばかりに 新玉の 年ほぎ縄を かけてほぐかも

いたつきの 長き病は いえねども 年の始と さける梅かも

新玉の 年の始と 豊御酒の 屠蘇われのみぬ 病いゆかに