和歌と俳句

地蔵盆

地蔵会やちか道を行祭客 蕪村

地蔵会や堂後にすだくきりぎりす 泊雲

地蔵会や鶏頭四五本残し掃く 泊雲

地蔵会や縄垣したる黍の径 泊雲

地蔵会の提灯赤し雨催ひ 草城

ゆきずりの燭を感ずる地蔵盆 蛇笏

漁夫は沖女房子が来る地蔵盆  たかし

子が持つて赤蝋赤光地蔵盆 多佳子

わが燭の遅れ加はる地蔵盆 多佳子

もの抛るどぶの音しぬ地蔵盆 青畝

地蔵盆嵐のあとの草の香に 林火

子を抱くはばつたり床几地蔵盆 林火