和歌と俳句

木槿 むくげ

拾遺集・秋 よみ人しらず
君こずば誰に見せましわがやどの垣根にさける槿の花

花むくげはだか童のかざし哉 芭蕉

芭蕉 (野ざらし紀行)
道のべの木槿は馬にくはれけり

吹風に唇うるむ木槿かな 越人

二つ三つ十とつもらぬむくげ哉 千代女

修理寮の雨にくれゆく木槿哉 蕪村

朝顔にうすきゆかりの木槿哉 蕪村

白木槿夏華も末の一二りん 召波

もとの露すゑのしづくや花木槿 暁台

二日咲木槿となりてあさ寒し 暁台

白木槿糸瓜の中に咲にけり 暁台

花木槿里留主がちに見ゆる哉 一茶

寝る外に分別はなし花木槿 一茶

ぼろぼろが妻もうもれし木槿咲 一茶