和歌と俳句

走馬燈 廻り灯籠

風吹て廻り燈籠の浮世かな 子規

同じ事を廻燈籠のまはりけり 子規

暗き火に燈籠まはること遅し 虚子

寄席ききに走馬燈を消してゆく 虚子

獨り淋しまはり燈籠にはひるべく 虚子

走馬燈昼は淋しくすぼりたる 虚子

走馬燈長い坊主がひかかつた 虚子

据風呂や走馬燈の灯の明り 虚子

走馬燈消えてしばらく廻りけり 鬼城

松風にふやけて疾し走馬燈 石鼎

走馬燈に木の間の月や子等は寝し 久女

走馬燈俄の雨にはづしけり 久女

走馬燈句会の母に長き留守 みどり女

一人居の廻り燈籠に灯を入れぬ 虚子

提げて行く廻り燈籠を見舞かな 虚子

走馬燈みたりがおもひめぐりけり 万太郎

いよよ秋の油足さうよ走馬燈 水巴

吊り添へて同じくまはる走馬燈 播水