虫ばめる虎杖の道つづきけり
ちぎれ浮くふさ藻の先も花咲きぬ
おもむろに落ちゆく水や滝の上
滝水の一すぢ強きすぢありぬ
半ばより煙の如く滝落つる
滝見茶屋大鉄瓶のたぎりをり
踏まれたる十薬あやがて起きなほり
花びらのそり吹かれをり大牡丹
滝音になれて蛍を待ちにけり
蛍まつまつ暗やみの茨垣
くちなしの日に日に花のよごれつゝ
落つるとき花のさびしき月見草
側らの高き葉の上散蓮華
蓮の茎かこみて菱の浮葉かな
それぞれの行燈たてゝ涼み舟
くたびれし足なげ出して舟料理
納涼やうすぼんやりと灯のともり
曝書まぶし百日紅の花よりも
今落ちし牡丹に蟻ののりゆきぬ
花びらの吹かれまがりて杜若
こだまして子等遠ざかる森の夏
話しつゝおほばこの葉をふんでゆく
夏草やバケツ振り振り子供来る
水に浮くえごにボートを進めけり
おのづから水の流れや花あやめ