和歌と俳句

日光

あらたうと青葉若葉の日の光 芭蕉

夏山や万象青く橋赤し 子規

日光は紅葉を葺いて祭かな 青邨

六月や日光はよき杉並木 喜舟

日光の娘等の晴着に雪さらさら 茅舎

雪山の谺金輪際を這ふ 茅舎

東照宮

灯のともる東照宮や杉の雪 子規

秋時雨白き柱に鶴舞ひて 青邨

秋の日の落つる陽明門は鎖さず 青邨

牡丹雪陽明門をかくし得ず 茅舎

眠る山陽明門をひらきけり 茅舎

冬山の廟の極彩ものいはず 茅舎

裏見滝

暫時は滝にこもるや夏の初 芭蕉

ほととぎすうらみの滝のうらおもて 芭蕉

子規
うちあけて 心のそこも 見せながら 瀧の名こそは うらみなりけれ

大谷川

紅葉より滝ちる谷間々々かな 子規

大谷川たぎち逆立つつららかな 茅舎