華厳の滝

秋の空華厳の瀧の白さかな　子規

左千夫
滝つぼに　おりてみらくと　苔青き　五百個岩群　足読みてくだる

左千夫
冬涸るる　華厳の滝の　滝壺に　百千の氷柱　天垂らしたり

雪の層波なし華厳落ちに落つ　亜浪

秋の日の滝の上より射し来る　立子

滝つぼに下りて見上ぐる秋日かな　立子

この冬を黙さず華厳水豊か　茅舎

天ゆ落つ華厳日輪かざしけり　亜浪

スキーの子嬉々と華厳の滝の上　茅舎

大華厳璃璃光つらら打のべし　茅舎

雪満ちて華厳の煙あたたかき　茅舎

この冬を黙さず華厳水豊か　茅舎

紺青のつらら打ち落つ華厳かな　茅舎

滝壺へ雪蹴つてわれ足駄がけ　茅舎

滝壺のつらら八寒地獄之図　茅舎

瀧霧に樅の鳴禽尾を垂りぬ　蛇笏

華厳見し雄心覚めぬ花野行く　たかし

新涼の瀧の雲霧に打たれけり　たかし

うぐひすや華厳巌壁をのぼる雲 秋櫻子

瀧みだれ大残雪にひびき落つ 秋櫻子