天の下 しらす日の御子 その御子の あれましゝ日は 常はれにして
山ゆるぐ 筒の音すなり 九重の 二重の橋を 御馬駆るらしも
槍の穂に 御旗なびけて 赤坂の 山の野に 君いでますも
笆菊の 黄も緋も白も 眞盛りに 咲ける君が代 まさきくありませ
御園生の 菊折かざし 百敷の 大宮人は けふ遊ぶらん
朝風の 吹きくるなべに 君が代を 歌ふ聲聞ゆ 學校の方に
草の戸に 御姿掛けて 菊いけて わが祝ふらく 千代いませとぞ
山里に 稲刈る男 けふの日を 天長節と 知らぬ顔なる
草刈が うばらかりそけ たてしとふ 佛の寺は 千歳へにけり
世の中に わろきいくさを あらせじと たゝせる御神 見れば尊し
をはり田の 畑うつ少女 こと問はん 桃の花さく 里いづくぞも
少女子の 鍬をかたげて 歸り行く 夕霞めり 三河島の杜
ベラボーメ くそをくらへと 君はいへど コン畜生に われあらなくに
むさしのの をばなむらさき はろばろに ゆふふじみえて ひはくれむとす
もののふの よろひしづめし いにしへの よろひのわたし ゑにかけるかも
おちやのみづの うてなたかどの たましけど しなぬくすりを うるみせはなし