2009年8月2~9日 ことば悦覧in京都 記録集 home 魚谷繁礼 門藤芳樹 山本麻子 岩崎泰 柳沢究 森田一弥 浅見俊幸 満田衛資 川勝真一 岡田栄造 榊原充大 山崎泰寛 牧野研造 俺クチャー 観客感想 番外編 名古屋 小林聖明 東京 太田浩史 松島潤平 山崎泰寛さん編 8月06日 pm10時~ 川勝家居間にて その 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 その03 佐藤:そりゃそうだよ 山崎:ね。だけど教師になる人って良かれと思って ![]() 佐藤:う、うん 山崎:基本的に 佐藤:(主権者じゃなくって)国家のしもべになっていくからね 山崎:というか国家のしもべではないにしても、教育っっていうことを信じてるじゃないですか。 佐藤:うん まあな~ うぶだしな~ 山崎:それがそもそもおかしいよっていう事を書いてあって。そんな事言われたら、真っ直ぐ先生になれないですよ 佐藤:それはそうだよね。 山崎:すごく素直だったし。 佐藤:うん うん。そうかそうか 山崎:その本のせしに しているわけじゃなくって。単にそれは切っ掛けなんですけど。そういうことがあったので 佐藤:悩むはねそれは 山崎:悩むでよう。 佐藤:思い悩み 深い悩みだよねそれは 山崎:そうなんですよ。ただ 佐藤:それじゃ親にも成れないって話だもんな 山崎:え 佐藤:父親になったり母親になったりし何か子どもを指導も教育みたいなもんじゃん 山崎:親子はね。親子はまた別ですけど。 佐藤:他者は 同じ じゃない 山崎:他人に対して、すごくこう。教師って何か、う~ん 佐藤:これが正しい って みたいな感じで 山崎:言うとか。まあある 何か。どいう内容にしても結局そのある価値観を子どもに対して提示する。そのことが その人達の人生を左右する可能性もあったり。なかったりするんだけど。ただあの、何か馬鹿馬鹿しく 見えちゃったんですよね。当時。大学生の僕には。 佐藤:なるほどね 山崎:今はそんな事思わないけど。当時は。何か馬鹿馬鹿しな~と思っちゃって。 佐藤:それじゃやる気無くなっちゃうね 山崎:やる気無くなったし、なんかもうちょっと教育っていう事がどういうことかなのか考えようみたいなふうになっちゃったんですね。そんときは。で、その先生のテキストで面白かったのは、色んなその教育的な何か良いものとかっではなくっても。ある小説の一節とか、そういう映画のワンシーンとか。そういう処から考えよう、。始めたって良いんだみたいな、事を教わったと思っていて。 教わったというかその先生はそういうふうに提示していただけなのかも知れないけど。で、そういう積もりで僕は4年生、3年生の頃はね。本当にもう、ガチャっと時間が過ぎちゃったんですけど。 佐藤:学者の道があるとは その時は考えなかったの 山崎:そんときは思わない。 佐藤:そいう教育を批評する学者ってあるわけでしょう、無いの 山崎:でも、当時は思わなかったですね。なんか3年生4年生の頃は思わなかった。何か4年生になって大学院に行くっていうときも。やっぱりその後 先生になるのかな~ってちょっと。成るっていうか。試験は受けたりするのかも 知れないと 佐藤:大学院の試験を受ける時も元気がだいぶ落ちちゃってるじゃないですか、それって。 大学院はまた別な動機というか、モチベーションまた湧いたから行ったわけ?。これでやめよう 教育の勉強は みたいなふうには思わなかったんですか 山崎:あの~大学院。、だから就職っていうふうには思わなかったんですね。当時。 佐藤:モラトリアム状態なの じゃ~。 ![]() 佐藤:ふっ へへえへへへへ 肯定されちゃったわけね 肯定されちゃったよ 山崎:で、あの、いやそれを真に受けたわけじゃないんだけど。 その大学院の2年間はいいんじゃないかってたぶんどっかで思ってて。 佐藤:論文書かなきゃいけないじゃないですか、大学院に行くと 山崎:まあそうなんだけど。それはまあ大した問題じゃなくって。結局最後凄い苦労して書いたから大変だったんですけど。 佐藤:大変でしょうふふふふふ ( 卒業論文) 山崎:だけどその、それよりもその4年生の時に卒業論文で書いた事の方が 僕には凄く大事で。 佐藤:それはどういう事を書かれたんですか 山崎:そんときはね。あの~保健室の話を書いたんですよ。 ![]() 山崎:学校。当時教育学部で。学校の事かまあ青年文化のその先生は専門だったので。青年文化に興味がある学生のたくさん居たんですけども。 僕は何か学校のことが何となく気になっていて。ちょうどその年に、文部省、当時の文部省が初めて保健室登校って言う。保健室に通う子どもの調査をしたんですね。その時調査結果が明らかになって。保健室登校ってことに初めて定義がされて。そんときに何かね中学校に4割かな。そういう子が居るっていう。 佐藤:凄い数だね 山崎:ことに成ったんですよ。 佐藤:原因も書いてあるの、それで。調べたって事は。なぜそこに行っているのか?ただデータだけですか。 山崎:ただどういう積もりで行っているのかっていうのは何となく書いてあって。教室には行けないけども学校には来れる。とか保健室だったら座ってられるとか。書いてあるんですけど。それが結構面白いな~と思って。そういう事が在るていうのが。で保健室登校とはどういう事なのかっていうのを。保健室の先生にインタビューしたり。学校の保健室を観に行ったりして。 佐藤:横浜市内のね 山崎:うん神奈川県です 佐藤:結構広いですね 山崎:そんな沢山じゃないですよ。本当にたまたま研究室に来てた先生のいた所とか。本当に ![]() 佐藤:でも実際に(保健室に)行ったわけでしょう 山崎:一応行きましたけど 佐藤:取材、調査しに行ったわけね 山崎:う~まあ そういうふうに言えなくもないですけど。観に行ったくらいですね。今思えば。で幾つか観てて。あと保健室っていうものの歴史。を調べたり。保健室の先生って事の歴史を調べたりしたんですよ。 佐藤:保健室ってのはいつ頃から 出来てくるですか 山崎:何かね昔は保健室って名前じゃなくって。トラコーマって目の病気が流行って。大正時代かなんかに。そんときに学校の中にお医者さん的な医療の場所を置くっていう。事になってそんときにその看護婦さんがそこの学校に入るようになって。そんときに、なんだっけかな用務員室だったかな。 佐藤:応急対応的に出来たんだねじゃ、目の病気が流行っちゃったので看護婦さん入れて置くところ なきゃいけないみたいなことで 山崎:そうそうそう。 佐藤:そういう感じで保健室は始まるのね、保健の先生じゃないのね 山崎:え ![]() 山崎:あ、衛生室か。衛生室っていう、あと医務室ってものあるんだけど。まあ。 佐藤:10+1、雑誌に論文書いててたわけですけど。今の話が詳しく書いてあるわけね 山崎:そう。 佐藤:卒業論文設計をベースにもうちょっと短くしたんですか 山崎:卒業論文ね。まあまとめて、もうちょっとはっきり建築の話を。当時はだから建築のけの字も知らないから。その文章の中には建築って言葉が一個ももちろん出てこないし。たぶん建物っていう言葉が出たかな~ぐらいの感じなんですよね。で、 佐藤:(10+1)のデータベースには乗ってないですよね 山崎:まだ載ってないですね 佐藤:それで(学校へ)行って調べて。 山崎:卒論の話です 本当に。その時に保健室っていう場所が凄く学校の中で、変わった場所で。何ていうか先生たちの間でも保健室の先生のことは悪く言ったり。先生と呼んじゃいけないという先生が居たり。先生じゃなからね。 佐藤:(氷を)ガリガリかじっている 山崎:そういうやつが居るんですよ。 佐藤:教育してないと みえちゃうわけね 山崎:教員免許持ってないから。保健室の先生って。 佐藤:何の免許だと保健室の先生になれるんですか、医師免許 山崎:あの~看護婦 ![]() 佐藤:医師免許じゃないよね 山崎:医師じゃないですね。治療できないから。看護婦さんとかだと 思うんですけど。ただ、白衣着てたり。 佐藤:そうだね、着てたね。 山崎:あと女性がやっぱり圧倒的に多くって。ほぼ女性なんですけど。で、ベットがあったり。薬があったりして。僕はその保健室観に行ったときに、やっぱり凄く臭いがあるな~とか。部屋が白いな~とか思ったんですよ。他の教室と比べると。 佐藤:教室と比べてね 山崎:でそれが結構保健室登校にとって大事ななんじゃないかって思ったんですよね。なぜ保健室に行くのか?って。で、その時にまあ保健室って言う場所は。丁度その頃に4年生の頃だったんですけど。宮台慎司とか、凄い流行ったんですよ。 佐藤:何とかの郊外っていやつですか ![]() で、保健室っていうの、そういう場所何じゃないか!?って思って 佐藤:思ったのね 山崎:うん。で丁度その頃、網野善彦さんという日本史の人の 佐藤:もう亡くなって なかったですか ![]() 山崎:まだまだです、全然 生きてました。無縁・公界・楽っていう本が有るんですけど。でしょう、あれ読んだりしてて。なんかもののけ姫っていう 佐藤:ふへへへへえへ 山崎:であの、ああいうのを何か喜んで観てた時期だったんで。エバンゲリヲンとかね。なんかあの時期なので。そういう何か制度的なものからちょっと逸脱した場所っていうのが持つ魅力みたいなのに。 佐藤:管理できない(場)処だよね 山崎:そうなんですけど、でも結局管理下なんですよね。そこが一番面白い処で。保健室も学校のその、何て言うのかな。こういうものを置かなきゃいけないっていう設置基準に入ってるわけですよ。保健室置かなきゃいけないって。だけど保健室で起こっている、保健室っていうものの性格っていうのは 成績とは関係ない 佐藤:そうか~ 山崎:関係なくって。身体とか肉体とかに訴える、例えばお腹痛いって言ったら。出れるわけですよね。教室から。帰ってこなきゃいけないけど。お腹痛いって言い続けられれば 佐藤:ふふふふふ 山崎:なんかそういう、制度が保証する制度外の空間みたいなものが 佐藤:なるほど ![]() 山崎:学校の中に在るって事が分かって、気付いて。これは 佐藤:それと網野善彦さんを 結びつけるってのは凄い、面白い発想だね。僕もある程度読んだけど。 山崎:だからまああ、 佐藤:お金は土に埋める理由とか色々書いてあるじゃないですか 山崎:ふふふふ 佐藤:それはなぜかとか、金利を取るという行為は何かとか。 神社に集まって来た金を貸して金利をとって、それをどうするとか。 色々話があるじゃないですか。 その一端として河原の当たりで市場が立ってどうこうって話と。都市と外部、管理できる部分と全く管理出来ない部分の丁度境界にある場 出来ているのか出来てないのかという(無縁)の処に市が立つたりする 山崎:ああそういう事ですよね 佐藤:そういう事書いてあったね確かに。そうか そんな事を言う人は山崎さんしか居なかったんじゃないの、保健室と無縁・公界・楽との連なりってふふふっふふ 山崎:ただ当時やっぱり保健室登校って一つにトピックだったので。他にもやっぱり居たんですよ。ね。保健室っていうものの持つ面白さみたいなのあって。でちょっと今フォローしてないんですけど、その後は。その後からしばらくして保健室登校ってのは何か人口に膾炙(かいしゃ)するっていうかメジャーになっちゃって 佐藤:そんなにあっという間にメージャーに成なるもんですか 45:07 その04へ |