2009年8月2〜9日 ことば悦覧in京都 記録集    home 

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   番外編  名古屋 小林聖明  東京 太田浩史 松島潤平 

 山崎泰寛さん編   8月06日 pm10時〜 川勝家居間にて 

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 その08

 岡田栄造さんと関わる

山崎:なんのまとまりもなく〜 
佐藤:だって また5年後くるから、今回でまとまり求めてないからさ

山崎:いやいやいいですけどね。それで岡田(栄造さんとは本屋が出来るときに
佐藤:どんどん広がっていくから。ドンドン喋って
山崎:とくに広がらないんですけど。岡田さんとは、本屋出来るときに。平塚さん何か専門家の人に本を選んでもらうっていうのを一つの特色にしたいと。全体のビル全体のコンセプトに合うんじゃないかと思って。で、プロダクトデザインの本を岡田さんに選んでもらったんだけど。そんときに初めて会って。

佐藤:誰が(岡田さんを)知っていたの 平塚さんが
山崎:が知っていた。知ってたって言っても。デザイン・ネットを知っていたいんですね。僕も確かにデザインネットは何か見てたんだけど。変わったサイトだな〜と思っていて。それは京都にその人が居るっていうのが分かったんで。で、まあ行ってみて。岡田さんは学習机の研究をしてて。
佐藤:椅子でしょう、俺 博士論文もらってきたよ
山崎:本当ですか。それ話 凄くもりあがって。それで何かすごく何ていうか、そんな話他人と出来て嬉しいですみたいなことを僕がふふふ

佐藤:ふははははは
山崎:僕が 喜んじゃってふふ
佐藤:そんな(同じ様なことを!)研究してた人がいたか〜みたいにね
山崎:うん。居るんですけどね。もちろん居るんだけど。ただその、デザインの社会的な変化みたいな。そういうプロセスの話っていうのを。こんな近いにそういう事をやっている人がいるのか?!っていうのは。結構 衝撃的で。でも二人とも同じ本をバイブルにしていて。で、
佐藤:山崎さんに教えてネットで調べたら。古本で7万ぐらいしていたよ

山崎:はやくSD選書にしてほしいんですけど
佐藤:読んで下さいってメールくれたから?。 気楽に言うなよ、こんな高価な本が俺が買えるわけね〜だろう!と思った。ふふふ。 本を送ってくるならいいけど、買って読め。7万、一瞬 目を700百円の間違いかと、目を疑ったけどね。

山崎:図書館にあると思いますけどね。そうそう。その著者の人が、僕の奥さん、編集の仕事しているんですけど。奥さんの大学院生の先生だったりして。何かこう後々会う機会があったりして。そういう意味でも凄く、好運なんですけど。一言で言って。

佐藤:そうか、段々鬱々気分がダンダン時間を掛けて解消されていく。鬱々も無意味じゃなかった。
山崎:今思えば。無意味ってことはあり得ないので。何でもそうだと思うんだけど。無意味ってことは無いので。ただその、その場所っていうか、そこ、むいてなかったと言ってもいいかもしれない。社会学的な関心っていうんですかね、自分の。あの時も言ったけどとにかく、普段 自分たちが当たり前だと思っっている日常を、まずは疑ってかかるっていう。みんながいいって言っていうものは疑う

佐藤:その ねばり強さっていうのは戦場で取材している人とよく似ているな〜っていう気がするんだよね。本当にしつこさっていうかさ、さっきから生い立ちとか聞いたけど、どこでそんなの身に付けちゃったのかな〜っていうのがさ〜

山崎:それは何で?ですかね〜言われた事ないからね、でもあのね〜。粘り強いっていうか、あの〜
佐藤:ヘタラないんだよ。聞いていると。僕の知っている人がいるんだけど、インデペンデント・ジャーナリストの人々をまとめている。 例えばイラク戦争があるとね。ジャーナリストに声掛けて みんなの金集めて、日本政府が絶対行っちゃいけないって言っても行かせちゃうわけよ。100万だったか与えて、送り出す。死んだときはどうするか、俺行くって奴は100万もらって、俺が死んだときに救援活動とかしちゃいけない、と色々打ち合わせて行くんだけど。そのまとめる人の話と似ているんだよ。なんか 粘り強いんだよね〜

山崎:鈍感なんですよね。
佐藤:鈍感かな〜
山崎:僕の場合は
佐藤:どんな事言われても、やっていく

山崎:自分の中では
佐藤:白黒じゃなくって 善し悪しではなくって、唯 単にそこに居続けるみたいな強さ
山崎:うん。
佐藤:結論めいたことは絶対言わせないように グルグルグルグル、ずーっと喋り続ける、態度が何となく似ているかな〜と。鈍感だからじゃないと思うさ。生まれつきって言われてもそうかな〜。その割にや よく喋るし。それって鈍感じゃね〜じゃない!


(映画の授業)

山崎:横浜国大の、大学院のときに映画の先生の授業っていうのを受けたんですよ。
佐藤:だれですか、四方田さんとか
山崎:いや四方田犬彦じゃなくって。ウメモトヨリキっていう人なんだけど。なんかフランスのカエリシネマっていう雑誌があるんですけど。それの日本語版の編集長をしていた人なんですけどね。で、その人の授業を受けてたんですよ。どんな授業かっていうと、「来週までにこの映画を観てこい」で、来週これについてみんなで話そう。授業なんですけど。

佐藤:いいね。
山崎:いいんだけど。
佐藤:だって映画観たら喋りたいじゃない。
山崎:シンドイんですよ。だって観にいかなきゃいけないでしょうまず。1週間の間に。しかもレイトショーしかやっていないから

佐藤:うふふふっふ
山崎:レートショー観たら終電なくなるみたいな。そういうレートショーなんですよ。
佐藤:ふへへへへへ
山崎:平気で言うわけ
佐藤:それ わざと言っているの
山崎:でもそれしかないから、行ってこようと

佐藤:どこですかその映画館は
山崎:例えば六本木の昔 在った、えーと何て言ったか、
佐藤:マニアックな映画館なんだ。今は渋谷に在りますよね。藤村さんの事務所の傍にあるじゃないですか。あそこは面白いの一杯 上映しているよね

山崎:
とかね。そういう
佐藤:終電無くなる時間に映画を観にいかなきゃいけないんだ。
山崎:そうそう。ただ何かそれを観て、それにあっという間に(授業を受けている)人が居なくなるんですよ。なんか映画の話って、気休めになるかと思って授業をとるんだけど、むしろなんかキツイんですよね。でしかも観る映画っていうのも、

佐藤:深刻な映画
山崎:深刻っていうか例えば、
佐藤:ドキュメンタリーじゃないんでしょう
山崎:ドキュメンタリーでもない。あ、ドキュメンタリーもあったかな。なんだけど。何て言うんですかね。
佐藤:観ててなにこれ?みたいな映画なのね、観てるのが辛くなチャウ、そうでもないの
山崎:う〜んていうか。う〜ん。何て言うんですかね。例えば、
佐藤:おれ今エバンゲリヨン観ているけどさ〜、そういうシンドさでもないんでしょう。
山崎:うんアニメは無かったね。ただあの、例えば、何か観て来たとするでしょう。そうすると、どうだったとか言われると

佐藤:楽しじゃないですか(映画について)喋るの
山崎:ときにね、それは色々喋って楽しいんですけどね。凄くストーリーっていう点から言うと。単調な映画とか。特に展開のない映画あるでしょう
佐藤:あるある。

山崎:でそういうのって、ただ普通に入ると映画みたいな、観る人にとっては、テレビドラマ的な、ドラマチックなものが無い映画に突然出会うと。みんな何言っていいか分かんなくなんですよ
佐藤:いいじゃん
山崎:分からない。

佐藤:それでいいじゃん
山崎:なると、 じゃ映画が分かるってどういう事だって聞かれるんですよね
佐藤:それはそうだね
山崎:映画がこういう話で
佐藤:物語があり起承転結があてみたいなことね
山崎:になると、え〜じゃ物語が分かったら映画分かったことに何のか?みたいな事言うわけですよ。で、

佐藤:嫌な先生だね〜って学生が居なくなっちゃうと
山崎:みんな居なく成るんですよ。結局 僕しか残んなくって。20人ぐらいいるんですよ、あっという間に居なくなって。
佐藤:いいね それ。学生をふるい落とすために言ってただけなんじゃないの
山崎うん、分かんないけど。まあ、ただでもそれはたとえ映画の見方としてけっこう僕自身も衝撃的だったし。ただ、凄く最初に観た映画が、エドワードヤっていう人の映画だったんだけど。何ていうのかな、凄く何かね、ストリーは凄く単純なんですよ。ある少年が殺人事件を起こすっていうそれだけなんだけど。何にも解決しないんですよ

佐藤:いいじゃないですかそういう映画。
山崎:なんだけど。それ僕も3時間か4時間かの映画なんですね。3時間半とか。すーごいショックで。
佐藤:ふふふふ、それはそうだろうね。うふっふ、3時間じーっと観てたらなにも解決しないで町に放り出される 現実そのものだもんね ふふっふ
山崎:でも満員なんですよ。もう。みんな分かってますから。今思うとみんな分かって観てんなと。僕は訳も解らずに観てて。滅茶苦茶衝撃が起きて

佐藤:鈍感じゃねーじゃねーか
山崎:隣の駅まで、何か雨だったんだけど。
佐藤:びしょ濡れか〜ふふふふ
山崎:隣の駅まで、取り合えず歩こうと思って。
佐藤:何だこの映画と ふふふふ

山崎何だったんだ??と思って。で、やっぱそれは授業
佐藤:監督の意図にまんまと填った山崎さん
山崎まあそいう事ですね
佐藤:ふふふふっふ

山崎:そうそうそう。あの〜田舎者なんですよ。だから本当にショックで。ふふふ。みんながよく分かんないとか言うんだけど。僕はもう分かんなかったって何だ?って。
佐藤:はははははは
山崎:どいう事だっていう。ふふふっふ
佐藤:監督喜んでいるな、たまにはそうい奴が居るんだと。

山崎:死んじゃったんだけどね。でもまあ、とにかくショックで。そんときに何か映画の見方っていうのを、何か新しい側面を教わった気がして。それから何かこう批評とか。そんときには、建築って言うことも何となく気付いてたので。そういう世の中には色んな作品に対して自分がどういうふうに、それを感じるのか?っていう事について、段々自覚的に成って来て。どういうものを自分が良いと思うのかとか。どういうものはつまんないと思うのかとか。別に勉強した事ないんだけど。一瞬のうちも思うんですよね。いいとか悪いとかって。

佐藤:自分に合ってるか?合ってないか?とかね。
山崎:それが分かったですよね。そいう事が、ああ分かるもんだと思って。それは誰でも判るのかもしんないけど。分かるもんなんだな〜と思って。で、あと分かんないっていうものもあるなと思って。で、それを考えなければいけないってまあ思ったんですよね。その批評っていう事を知ってその人はその作家に対して伴走車(伴奏者)であるっていうことを批評家の条件というか。性格だとしていて。僕はそれは凄くラウンドアバウトジャーナルで、まあ。今独立してた藤村君だけなんだけど。藤村君の事を観てる目線というのは、たぶんそういう処があって。別にその心底共感して表裏一体みたいな

佐藤:うはははは
山崎:でもないし。そんな訳ないし。無いんだけども何か見続けないといけないって言う処が何となくあるんですよ。ね
佐藤:ねっからの観察しつづけて 批評するのが好きな人なんだよね。批評的に作っているものが好きなでしょう。さっきのショック受けた映画の話とか

山崎:批評的に作っているものが好きかどうかは分かんないんだけど。
佐藤:作品っておおかたそういう行為じゃないですか
山崎:だけど。なんか批評のために作っている作品ってのもあって、それは許さないんですけどね。  

 15:04
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