よろこぶを見よやはつねの玉はは木
うぐひすの宿とこそみれ小摺鉢
見たいもの花もみぢより継穂哉
女中方尼前は花の先達か
春の水に秋の木の葉を柳鮠
桐柳民濃に菜飯かな
酒くさき人にからまるこてふ哉
稲妻にけしからぬ神子が目ざしやな
三盒子ことたらはすや年の暮
五位六位色こきまぜよ青簾
空は墨に画竜覗きぬほととぎす
簔干して朝々ふるふ蛍かな
夏の日に懶き飴のもやし哉
名月や歌人に髭のなきがごと
黄菊白菊其外の名はなくも哉
鶴の声菊七尺のながめかな
菊さけり蝶来て遊べ絵の具皿
門の雪臼とたらひのすがた哉
君見よや我手いるるぞ茎の桶
艸の葉を遊びありけよ露の玉
下闇や地虫ながらの蝉の声
花すすき大名衆をまつり哉
出替や幼ごころに物あはれ
狗背の塵にえらるるわらびかな
手習の師を車座や花の児