俳句案内

高井几董

十一
十二
十三

の隣へ迯てはつねかな

うぐひすやいせ路を出る暦彫

鴬の脛にかゝるや枯かつら

初音して鴬下リぬ臼のもと

うぐひすに松明しらむ山路哉

うぐひすの訛かはゆき若音かな

梅ちるや京の酒屋の二升樽

をちこちや梅の木間のふしみ人

しら梅に余寒の雲のかゝる也

白梅にこはそも氷雨の降日哉

ぬつくりと寐て居る猫や梅の股

耕さぬ人に見らる ゝ野梅哉

木に残るこ ゝろや手折梅の花

恋 々として柳遠のく舟路哉

若柳枝空ざまにみどりかな

わたりふたつ見えて夕日の柳哉

寒かりし月を濁らす柳かな

比良の雪大津の柳かすみけり

犬に迯て庭鳥上る柳かな

老そめてことにめでたき柳かな

しばし見む柳がもとの小鮒市

顔いたき風のよそ目に柳哉

手を添て引せまいらす小松哉

まないたの七野に響くわかなかな

七草に鼠が恋もわかれけり

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