和歌と俳句

皆吉爽雨

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椿手にものを茹でゐる地獄かな

境内を大峰道や遅ざくら

陵守の退けて谷ゆく夕ざくら

入学をさせてもどりの花の旅

乾きつゝ床几の雨や遅ざくら

張糸に蝶吹きあたる苗代かな

防風摘む砂丘に友はすぐ遠く

瀬にくだり淵に高まりの路

この駅も雨の遍路の乗りしのみ

お遍路の野を汽車とほることもなく

解く桑に笠うたれゆく遍路かな

向きあうて茶を摘む音をたつるのみ

草焼きし庭あり兵の病舎訪ふ

白魚火の近きは雨のそゝぐ見ゆ

尾根わたる杖もさだかに遍路かな

道それし遍路とゆけば磨崖あり

塩田の見えくるなさけ遍路道

鯛網の沖とは聞けどうち霞み