和歌と俳句

皆吉爽雨

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笹子来て位高くも餌台に

薫香をひろげて御堂寒牡丹

背山より今かも飛雪寒牡丹

盆梅の燈下ちらりと散りもすれ

日脚のぶ夕月光もありぬべく

冬紅葉山門の朱にかよひ見ゆ

しぐるるやよべ祝うけし花は壺に

くるめきは日にわれにあり日向ぼこ

立ちはしる厚き落葉の上の落葉

ほとりあふ湯の神湯元冬もみじ

潮の紺鰤場つらぬきやまぬなり

枯野来て塔ただちなり見の惜しき

塔かげの瓦片しぐれし地に拾ふ

塔うつるとある金魚田枯野ゆく

堂いらかながれ灑ぐに小春われ

冬鹿にあひつつうとみあふ如し

辻にのみ銀座の日向十二月

旅をつぐ昼はそば屋へ雪もよひ

浪音を消さんとかむり石蒲団

旅の興はじまる火燵板の大

大根吊り菜を懸け家をないがしろ

三日月をしづめし木よりの声

霜枯の紫苑は鋸をもて刈りぬ

湯たんぽに病み臥す嵩のつづきをり

湯たんぽに病みて佛相をりをりに