花よりも名に近づくや福寿草
福寿草まだ手もをけぬ所より
万歳のロや真砂は尽るとも
万歳やもどりは老のはづかしく
ななくさや我は背戸にてよみ尽し
七くさや都の文を見る日数
七くさや欲にもけふのよくばかり
七草に似合ぬものは蕪かな
七草やあまれどたらぬものも有
七草やつれにかえ合ふ草もあり
七草や三つよつふたつひと所
七草や三つ四つふたつ置所
七草や雪に花香も添ながら
七草や雪を払へばそれでなし
七草や翌からは目の地につかず
松のしらへことに子の日の夕哉
風の音に引ぬ子の日を祝ひけり
もすそにもつくものならば鳳巾の糸
吹々と花に欲なし鳳巾
けふまでの日は今日捨て初かすみ
また顔の空へはおもし初霞
もれ出る山又山やはつ霞
烏一つふたつも見るや初かすみ
初かすみたつや二見のわかるほど
松竹とまたわかるなり初霞