TopNovel願わくば・扉>願わくば、恋視線・12



       

     

 これでも私、年齢相応に人生経験は積んできたと思う。

 でもまー、すごいよね。ここまでお約束に「自意識過剰」をしてしまう男っていたんだな。しかも、私といくつも年が変わらないのに。もしもコイツがバームクーヘンの如く年輪を重ねた五・六十の熟年層のオジサマだったら、それなりに納得できたかも知れないけど。

「す……てきなお話だとは思いますが、残念ながら今は自分の仕事のことだけで手一杯ですから」

 絶対に口説く相手を間違えてると思うんだよね、優秀な頭脳を持っているなら早くそこに気付けばいいのに。恋愛を忙しい毎日の余興としてゲーム感覚で楽しんでいるならそれもいいでしょう。けどねー、それにしても非生産的だよ。かすりもしない目標をターゲットにして何が楽しいの。

「ふふ、最香ちゃんは真面目だなあ。ま、そう言うところがたまらなく魅力的なんだけどね」

 私のトゲトゲ光線をひらりとかわして、旗之助はグラスを手にする。

「一流シェフの料理も、手間暇掛けてじっくりと仕上げるから美味しくなる。だから僕は焦らないよ、最高のポジションで君を手に入れるためにどんな努力でも惜しまないつもりだ」

 一瞬の隙もない、完璧な微笑み。この男の年少時代、私の記憶の中にわずかに残っている面影はどこに消えてしまったんだろう。揺るぎない自信を手に入れた人間は、外見までも変わってしまうのか。
  こうしてテーブルについている間も、彼は周囲の視線を絶えず集めている。別にどこが他人と違うわけでもないのにね、何かそのまま通り過ぎることの出来ないようなオーラを発しているみたいだ。しかもそれを、本人はきちんと自覚している。自分に注目する人間たちの眼差しを楽しむ余裕すら感じられた。

 ――芸能人じゃないんだからさ、ここまでやる必要ないんじゃないかな……?

 まあ、実業家もタレントも紙一重の現代、全てに置いて見てくれの良さはプラス要素になる。
  コイツの場合は素材はそこそこ、どこにでも転がっているレベルだと思う。それを持ち味を生かして磨き上げ、丁度フィットする小道具で包み込む。女性ならばそう言う努力をしている人がたくさんいて特に新鮮味もないけど、男性でここまで完璧に仕上げているのは一般人としては珍しいと思うわ。

「最香ちゃんはもちろん今のままでも十分に素敵な女性だ。だけど、僕の手で君をもっと幸せにしてあげたいんだ。何も心配することなんてないよ、大船に乗ったつもりでいて欲しいな」

 ここまで言い切れるって、どういうことなんだろうなあ。ただのはったりってわけでもなさそうだし、ちゃんと自信を裏付けする切り札を胸元に何枚も忍ばせてるって感じだ。うーん、もしも私が「夢見る乙女」な性格だったら完全に落ちるわね。

 人生の成功はまず「自分を知る」ことから始まる。彼はもう、いくつものハードルを越えてきた人間なのだろうか。同世代の人たちのほとんどは、まだまだ上から言われた仕事をこなすだけで手一杯の状態だと思う。高校から渡米して向こうで教育を受けたという一風変わった生き方が、気弱な金持ちの息子をここまで強靭に変えたのか。

「何をなさったところで無駄骨に終わると思いますけど、それでいいんですか?」

 独り言のような私の忠告に、彼は甘い表情を崩すことなく静かに頷いた。

 


「家まで送るよ」

 そう告げられて、とんでもないと首を振った。そしたら彼はまた、おなかの底から溢れてくるものを必死で堪えるように笑いを噛みしめる。

「アパートの場所を覚えられると困るとでも思っているんでしょう、そんな心配はご無用だよ。すでに君のデータならすべて入手済み、何を質問されても即答してみせるけど?」
 
  しまった、伏兵の存在を忘れていたわ。今更何を隠したところで無駄って言いたいのね、分かりましたよ。

「……そうですか」

 

 寄りかかるとほどよく身体を包み込むシート。見た目は普通の車のそれと変わらない気がするんだけど、実際に触れて確かめればその違いは歴然。
  このところ寝不足続きだしね、思わずうたた寝してしまいそうな悪い予感。いやいや、どうしてそんなこと。ここは、気を確かに持ってなくちゃね。

 室内外の温度と湿度を瞬時に計測して、肌に心地よいベストの状態に整えられた車内。助手席に乗ると、エアコンの吹き出し口からもろに風を受けて嫌な気分になったりするじゃない。そういうのも全くないの。当然のことながら、安定感は抜群。当たり前の道路を走っていて、ほとんどの揺れを感じないなんてさすがだわ。

 私の隣でハンドルを握る人は、安全かつ的確な運転で夜の街をすいすいと抜けていく。まるで信号までが彼の味方になったみたい、瞬き始めた歩行者信号を涼しげな視線で確認してる。そのくせ、横断歩道脇の人影を見つければ、必ず一時停止して歩行者を優先する良心ぶり。
  車の運転をさせれば、その人の性格がすぐに分かるって言うよね。普段はどんなに取り繕っていても、運転席では何故か本来の姿に戻ってしまう。誰にでも優しくて虫も殺せないように見える人が、とんでもない荒っぽいハンドルさばきをすることは実に多い。

 ウチの兄なんて若い頃は粋なサーファーを気取っていたくせに、とにかくビクビクと落ち着かない運転をするの。慎重って言えば慎重だけど、絶対に渡れた信号でも止まってしまう辺り「融通が利かないなあ」と思うこともしばしば。ここ一番という大勝負の時に決まって失敗するような、不器用さがはみ出してる。

 

 ――そう言う意味でも「合格」ってことなんだろうな。

 

 もしかすると。ウチの母親って、この人の車に乗ったことがあるのかも知れない。何か用事があって漁業組合のビルを訪れて「ご自宅まで送りましょう」と言われたとか。ああ、ありそう。容易に想像が付いちゃう。

 何だか、本当に。「モテる男」の完全モデルを目の当たりにされた気分よ。都会暮らしをやめて小野崎に戻るときたくさんの女性にすがられたと本人の口から聞いたけど、案外それも冗談じゃないのかも。かなり本気で泣きついた人もいたんじゃないかな。そのうちのめぼしいひとりをチョイスすれば、今こうして無駄な努力をしてなくても良かったのにね。

 完璧な人間に限って女性問題で躓くとか言うけど、もしかしてコイツも例外じゃないのかしら。別に義理もないけど、ちょっとだけ同情するわ。

「だけど……実際にこうして会ってみると、最香ちゃんにはまだまだ未知なる部分がたくさんある気がする。やはり女性はミステリアスじゃないとつまらないよ、君のことがもっともっと知りたくなる。こんな気持ちは久しぶりだ」

 うーん、これって「愛の告白」なのかな。いや、最初にあったときにすでに求婚されてるんだし、今更って感じだろうか。でもねえ、まさかこんな台詞をしらふで聞くことになるとは思わなかった。

「大漁さんは、私のことを買いかぶりすぎじゃないですか? そんな風にご大層なものじゃないですよ、『小野崎出身』っていう肩書きがなかったら箸にも棒にもかからないって感じでしょう」

 あー可愛くないな、私。おなかの中にあるモヤモヤを一気に吐き出してそう思った。

「あはは、手強いな。本当に、容赦なしって感じだね」

 またまた、するりと上手にかわされた気分。一筋縄ではいかない相手だなとひしひし感じる。多分、手を尽くして操作しようと目論んだところであっという間に玉砕するんだろうなあ。

 高級デパートのショーケースに並んだような言葉たち、「魅力的」とか「ミステリアス」とか。それをただ記号として使っているわけじゃなくて、もしもこちらが要求すれば裏打ちするだけの理由をいくつも挙げてくるだろう。
  今時の女性は馬鹿じゃない。もしも自分にとって一生の相手となるかも知れないと思った男なら、裏の裏側の人間性まで鋭い感覚でチェックする。だってそうでしょ、いくら男性と肩を並べて仕事が出来る時代が訪れたと言っても、まだまだ選ぶ男次第で人生設計が変わってしまうのが悲しき現状なのよ。

 ……ま、いいけどね。

 だって、私にとって彼は全くの規格外だもの。「価値観」も「人間性」も「将来の目標」も全くひとつとしてかすりもしない相手なのよ、だからこそこんな風に冷静な目で分析することが出来る。

 

 おなかの中でどろどろと想いを巡らして、表面上は当たり障りのない会話を繰り返して。

 そんな時間を過ごすうちに、あっという間に見慣れた風景。一方通行が多くて慣れないと走りにくい住宅街を彼は魔法のように通り抜けた。

「何だか喉が渇いたね、コーヒーの一杯もご馳走してくれたら嬉しいんだけど」

 アパートに続く袋小路の入り口で車を止めた旗之助は、こちらが想像していた通りの台詞を告げてくる。

「休憩なさりたいのなら、すぐ向こうの喫茶店がいいですよ? あいにくアパートには来客用の駐車スペースはありませんし、この辺は路駐の取り締まりが大変厳しいんです」

 

 ここに来るまでにはね、何となくそれくらいのことはしてもいいかなとかそんな気分になっていたのも事実。親も公認なんだしね、コイツもいいオトナなんだし部屋に上げたからと言って突然襲いかかって来たりはしないだろう。そっち方面には全く不自由してないようだしね。

 だけど、流されては駄目。私の目指す「夢」のためには、この男は邪魔な存在なの。

 

「そう? それは残念だな」

 相変わらず、全く「残念」そうじゃない表情。助手席のドアを開ける私に、彼はそれ以上の無理強いはしなかった。

「ごちそうさまでした」

 定時で上がってすぐに出掛けたから、まだ遅番で帰り着くのと変わらない時刻。視界に隅に映ったアパートで灯りのついてる部屋は三分の一くらいだわ。

 食事のあともアトラクションに乗ろうと何度も誘われたけど、きっぱり断っちゃった。ちょっと申し訳ないかなとも思ったけど、あまり深く関わりたい相手じゃないし。すぐに切れる仲なら、思い出は最小限にした方がいいよ。今後「ネズミの国」に行くたびに、この男のことを思い出すなんてまっぴらだわ。

「……あ、待って」

 ばたん、とドアを閉めたら。その次の瞬間を待っていたようにするすると窓が下がる。

「今度、いつ会えるかな? また、僕から連絡してもいいよね」

 そこで、どうして振り向いちゃったのだろうか。淡く残るルームライト、ぼんやりと浮かび上がる顔は今まで薄暗がりで見ていたものとは別人のよう。

「別に、構いませんけど」

 きっぱりと断ることも出来たのに、何故かそうする気になれなかった。どうしちゃったんだろう、私。語尾に微かに感じる独特のイントネーション、その響きと共に故郷の風景が脳裏に浮かび上がる。

「良かった。その言葉を聞いて、今夜はゆっくり眠れそうだ」

 じゃあ、おやすみと軽く右手を挙げて。エンジン音も穏やかに、旗之助の車は大通りへと消えていった。

 


  久しぶりに、元彼の夢を見た。

 

 何とも後味の悪い終わり方をした恋は、いつも別れ間際の泥沼の現場がリフレインされる。ふたりでいてとても楽しかった瞬間もたくさんあったはずなのに、そっちは無意識の領域にインプットされていないらしい。

「結局は、仕事の方がいいんだろ。お前は職場と心中すりゃいいんだよ」

 吐き捨てられた言葉、醜く歪んだ表情。こんな男に自分は惚れていたのかと、情けない気分になった。自分が捨てられる現場にありながら、未練のこれっぽっちもない。とにかくこれで終わりに出来る、もうこの先は色々悩んだりしなくて済むんだと救われる思いがした。

 彼もまた就職したばかり。慣れない営業の仕事をしていて疲れ切っていたんだろう、久しぶりのデートなのに嬉しそうな顔ひとつしない。お互いがお互いを気遣うことも出来ないまま、自分の要求ばかりを押しつけ合った。不格好な水風船をそれでもどうにか破裂させないようにギリギリのところで頑張っていたが、それで得たメリットはひとつもなかったような気がする。

  限界までお互いを傷つけ合った、だからその後の関わり合いは全くない。人づてに辿っていけば消息は分かるけど、知ったところでどうなることもないしね。

 

 ……大体、何で今頃になってアイツのこと思い出したりしたんだろ。

 


  ――さあ、平常心平常心っ!

 早朝保育のあとに、洗面所の鏡で自己暗示。とにかく全力で取り組まなければならない職場、待ったなしの子供たちを前に物思いに耽っているわけにはいかないわ。ほっぺをぱしぱしと叩いて、気合いを入れる。

 そう言えばあの頃もこんな風にして、落ち込んだ気持ちを叩き直していた。ようやく関係も切れてすっきりすると思ってたのに、自分でもびっくりするくらい長い間引きずってしまったのね。

  仕事で上手くいかないことがあるたびに、楽しかった日々が蘇ってくる。何もかも捨てて彼を選んだ方が幸せになれたんじゃないだろうか。とりあえず誰でも知ってる一流企業に勤めてたんだもの、私があくせく働かなくたってやって行けたはず。
  職場では幸せそうな親子連ればかりと関わっている。もしもあのまま続いていたら、今頃は私も……とかね。そんな風に思うこともあった。別れ話のそもそものきっかけは、間近に控えた彼の栄転話。仕事を辞めて付いてきて欲しいと言われて、どうしても頷くことが出来なかったんだ。

 あのときの辛い気持ちを自分の失敗だったとは思いたくない、だから選び取った「今」を頑張って進んでいかなくちゃならない。目の前に美味しそうな餌をつり下げられたところで、ぱくっと食いつくことは出来ないの。

 そう、賑やかな職場で。子供たちに囲まれた日常の中で、難しいことは全部後回しに出来たらいいのに。

 

「モカせんせいーっ、できたー、みて!」

 ほらほら、弾けるこの笑顔たちを見れば胸はいっぱい。大人の難しい事情なんて、すっきりどこかになくなってしまう。

 後発の園バスが到着するのが9時45分。その頃にはそれ以外の子供たちもほとんどが登園して、賑やかな一日が始まる。まずは出欠席の確認から。元気のいいひとりひとりの顔をチェックしてから、午前中のスケジュールが始まる。今日は雨降りで園庭遊びは中止。絵の具を出して、スケッチブックに絵を描かせることにした。
  とはいえ、みんなを同じように行動させるのはまだまだ至難の業。汚れ防止にスモックに着替えさせて、各自自分の棚から絵の具一式とスケッチブックを取ってきてもらう。それだけのことなのに余計なものを持ってくる子がいたり、こっちが指示を出す前に勝手に始めちゃう子がいたりで蜂の巣をつついたような大騒ぎ。でも作業に集中し始めると嘘のように静かになるから不思議だなと思う。

 年少の頃はクレヨンが中心だったから、まだまだ絵筆に慣れていない子も多い。パレットに直接固形絵の具が入ってるセットなんだけど、すでにぐちゃぐちゃになっちゃってる子もいたりして。でも楽しそうなのね、意外な色が出来たりすると驚いていちいち報告してくれるし。
  広い画用紙のどの部分から描き始めるか、ひとつひとつ考えながら進める子もいれば思いつきであとからあとから付け足していく子もいる。出来上がる過程までも一緒になって楽しめるから、保育士って役得だなと思うわ。

 

 中通路越しに見れば。ひとつ向こうの「ぶどう」組では、大きな輪を作って手遊びの最中だ。

  新婚旅行中の奈津は来週から職場に戻ってくるけど、今の臨時の先生とも子供たちはすっかりうち解けている。年配の落ち着いた方で、子供たちの気持ちを汲み取るのがとても上手。短い時間だったけど、学ばせて頂くことがとても多かった。

  そうよ、この仕事は永遠に続いていく。将来を憂うことなんてないんだから。いくら時代は変わっても、ひとつひとつの命を大切に育んでいく取り組みがなくなることはないわ。そのために諦めなくちゃならないことがあるのは、仕方ないもの。

 

「せんせいーっ! アツシくんが、おみずをぴゅーってしちゃった。びたびたーっ!」

 ほとんどの子供たちが作品を仕上げた頃、洗面所の方から声が上がった。お隣の「ぶどう」組と一緒に使うトイレと手洗い場。どうも水道を出し過ぎてしまったみたい。ピータイル張りの床に水たまりが出来てる。

「あー、大変っ! さあさ、みんなは教室に戻って絵本を読んでいてね。先生がぱぱっと綺麗にしちゃいますからー」

 お手伝いしようと自分の雑巾を手にする気の利いた女の子もいるけど、ありがとうと断った。狭いスペースにたくさん入ってくると混乱するし、濡れた床で滑って転んだりしたらそれこそ大変。

 

 ひとりでせっせと床を拭いていると、背後がふっと暗くなる。振り向かなくても誰が来たのかは分かる、でも私は自分の作業に没頭してる振りを続けた。

「あの、先輩。お手伝いします、雑巾はこれでいいですか?」

 遠慮がちの問いかけ、でも返事をするのも億劫だった。彼に背中を向けたまま、冷たく突き放す。

「いいわ、すぐに終わるから。奏先生は、ぶどう組の補助を続けて。こっちは間に合ってますから」

 きっぱりと断ったはずだ、それなのに背後の影は立ち去る気配がない。それどころか、子供たちが数人入れば一杯になってしまうスペースに足を踏み入れてくる。そして、床ふきを手伝うように身をかがめた。

「……かえって邪魔だから、向こうに行って」

 

 どうしてこんなにイライラするんだろう。

 彼の顔を見るどころかその存在を確認するたびに、おなかの中にモヤモヤしたものが湧いてくる。こんな気持ち、数日前までは全く感じなかったのに。自分でも訳が分からない。
  一昨日の晩に見た光景のことは、特に指摘する程のものでもないと思っていた。勤務時間外に誰と会おうが何をしようがそれは個人の自由だと思う。いくら「先輩」というポジションにいるとしても、いちいち指摘するのはおかしいよね。そんなの変だよ、鬱陶しいよ。

 

「先輩――」

 それ以上、床を拭き続けることは出来なかった。奏くんの左手が私の右手を掴み取る。この状態、両方の教室からは死角になって見えないはず。彼にもそれが分かっているのだろう。

「どうしたんですか、昨日から先輩は変ですよ? あの……、何か俺、気に障ることでもしましたか」

 顔を上げればすぐ側にいつもの可愛い顔、物憂げに見つめられれば胸の奥がチクリと痛む。

「別に、……気のせいでしょ。何言ってるの、馬鹿みたい」

 乱暴に手をほどいて、そのまま立ち上がる。

 

 心のままに吐き出したそのあとも、胸の中の雨雲はますます膨らんでいく。そのときの私は、自分でも理解できない感情を抑え込むのに必死だった。

 

 

2006年9月29日更新

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