足摺は五つ崎ある秋天下
足摺ゆ室戸見ゆ日や冬近し
踊見し木曽の夜霧に中り病む
桟も今は安けし葛の花
門火たく宿をさすらふ旅の者
秋涼し目覚め咳く木曽の宿
萩咲くや縁繕へば軒破れ
秋雨のけふの暗さに寄贈の書
鶏頭立つ吾も四十九の秋深み
蟲の音の誘ふ闇に行かず居り