和歌と俳句

雨乞い

雨乞に曇る国司のなみだ哉 蕪村

大粒な雨は祈りの奇特かな 蕪村

松明に雨乞行やよるの嶺 太祇

雨乞の中の一人やわたし守 子規

雨乞や天にひゞけと打つ太鼓 子規

雨乞や次第に近き雲の脚 子規

雨乞やおさな心におそろしき 子規

月赤し雨乞踊見に行かん 子規

雨乞ひの下賎の顔も祈りけり 碧梧桐

雨鬼風鬼祈りの風に問答かな

淵に石擲げて雨乞ふ老一人 虚子

よひよひの雨乞の火も減りにけり

雨乞や僧都の警護小百人 鬼城

薪負うて雨乞の人つゞきけり 泊雲

雨祈る炎のかぐろくて盛夏かな 蛇笏

雨乞の双幅とただ伝へらる 素十