かき餅をたべて見てをり水中花 虚子
咲きつきて灯に片よりぬ水中花 水巴
水中花萍よりもあはれなり 水巴
月さすや沈みてありし水中花 普羅
濃きいろに染めしあやめや水中花 万太郎
蝉なくやこれをみやげの水中花 万太郎
水中花顫ひとけたる花瓣かな 秋櫻子
水中花津軽の海をおだやかに かな女
水中花日暮れてくらくなりにけり 波津女
附添の退屈もしつ水中花 汀女
水中花咲かせしまひし淋しさよ 万太郎
泡一つ抱いてはなさぬ水中花 風生
咲あふれ牡丹なるや水中花 風生
うつくしき水をこぼしぬ水中花 青邨
水中花舞櫛の花と美しく 青邨
水中花すぐゐ眠をする子かな 花蓑
水中花妻の妹の子を膝に 花蓑
子心は親心なり水中花 花蓑
生涯に看とり幾たび水中花 貞
水中花原色をとこらの夢と 鷹女
ある日妻ぽとんと沈め水中花 青邨
水中花必死や弥陀のコツプ透き 鷹女
水中花培ふごとく水を替ふ 波郷