此槌のむかし椿歟梅の木歟
苔汁の手ぎは見せけり浅黄椀
まとふどな犬ふみつけて猫の恋
葉にそむく椿や花のよそ心
咲乱す桃の中より初桜
奈良七重七堂伽藍八重ざくら
西行の菴もあらん花の庭
かげきよも花見のざには七兵衛
蝶鳥のうはつきたつや花の雲
世にさかる花にも念仏申けり
ちるはなや鳥も驚く琴の塵