海苔

衰や歯に喰あてし海苔の砂 芭蕉

苔汁の手ぎは見せけり浅黄椀 芭蕉

海苔すくふ水の一重や宵の雨 蕪村

生海苔の波打際や東海寺 召波

あまのりは江戸紫の匂ひかな 青蘿

生海苔のここは品川東海寺 漱石

新海苔や肴乏しき精進落 子規

燈台の人も岩海苔掻く日かな 碧梧桐

雪しろに海苔粗朶浮いて流れけり 鬼城

大海に流れむとする海苔を採る 普羅

海苔干すや船出払へる磯日和 淡路女

白秋
海苔とるとたづきありけり朝びらき小舟揺ちゆく棹手かなしも

白秋
海苔の田は上潮寒き海朶の間に逆さの不二が白う明り来

海苔舟や鷺みな歩く潮の中 水巴

海苔舟に埋まつてをる細江かな 風生

海苔舟を松の木の間に海晏寺 たかし

荷ひ込む大海苔籠や浦の宿 淡路女

海苔掻に粉雪ちらつく手元かな 淡路女

海苔掻女濡れ手をかざす磯焚火 淡路女

海苔採や女もすなる頬かむり 淡路女

海苔舟の人の帽子のいろいろな 青邨

海苔舟や波に追はれて棹せる 素十

海苔舟をつなげる松や玉津島 静塔

日をのせて浪たゆたへり海苔の海 虚子

岩の上に傾け置きぬ海苔の桶 虚子

海苔乾場透きとほる火焚きはじむ 誓子

海苔粗朶の暮るる方よりひとひとり 誓子

海苔粗朶をもて男を打てり遠景に 三鬼

盾の如海苔干す故郷敵とする 静塔

燈台の統べ立つものに海苔掻も 爽雨

海女となる四月を遠み海苔を掻く 爽雨

黒潮よここらの海苔の濃かれかし 青畝

ひとり海苔掻く乗る舟の尾を上げて 静塔

海中の人か舳に海苔をとる 静塔

海中に条里をなして海苔育つ 誓子

立春 早春 春浅し 二月 初午 雪解 残雪 春寒 余寒 冴え返る 猫の恋 野を焼く 山焼く 麦踏 蕗の薹 猫柳 海苔 紅梅 実朝忌 三月 如月 雛祭り 春の雪 春雷 啓蟄 東風 春めく 春の山 水温む 春の水 田螺 涅槃 帰る雁 彼岸 彼岸桜 暖か 雲雀
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