春分の日・秋分の日を中日といい、その前後の3日間を彼岸いう。 俳句では単に彼岸といえば春の彼岸(3月18日から24日まで)をいう約束です。
精進すなといはれし親の彼岸哉 来山
渡し舟武士は唯のる彼岸哉 其角
くもりしがふらで彼岸の夕日影 其角
くく立の花うちこぼす彼岸哉 支考
何まよふひがんの入日人だかり 鬼貫
命婦よりぼた餅たぼす彼岸哉 蕪村
起々に蒟蒻もらふ彼岸かな 太祇
うばかゝのさくらを覗く彼岸かな 太祇
傾城に菎蒻くはす彼岸哉 几董
彼岸とて袖に這する虱かな 一茶
毎年よ彼岸の入に寒いのは 子規
珠数ひろふ人や彼岸の天王寺 子規
牡丹餅の昼夜を分つ彼岸哉 子規
門前を彼岸参りや雪駄ばき 漱石
庭芝も茜さしたる彼岸かな 龍之介
長谷寺に法鼓轟く彼岸かな 虚子
牡丹餅に夕飯遅き彼岸かな 虚子
手に持ちて線香賣りぬ彼岸道 虚子
浮葉みえてさざ波ひろき彼岸かな 水巴
連翹は雪に明るき彼岸かな 水巴
尼の数珠を犬もくはへし彼岸かな 蛇笏
山寺の扉に雲遊ぶ彼岸かな 蛇笏
お彼岸の鐘ききとむる樵夫かな 蛇笏
くにはらの水縦横に彼岸鐘 蛇笏
彼岸会の故山ふかまるところかな 蛇笏
雲に古る扉の花鳥彼岸寺 蛇笏
彼岸雨詣でし墓を傘の内 蛇笏
大鴉一樹に一羽彼岸墓地 みどり女
お彼岸のすから啼き居る鴉かな 石鼎
山の端に宝珠のまるき彼岸かな 青畝
ゆつくりと山懐の彼岸鐘 青畝
大法話いまつづきゐる彼岸かな 青畝
あかあかと彼岸微塵の仏かな 茅舎
尼が門の低きを開けて彼岸来る 爽雨
お彼岸や末寺の尼ぜ本山へ 立子
春彼岸に吾はもちひをあぶりけり餅は見てゐるうちにふくるる 茂吉
すこやかに家をいで来て見てゐたり春の彼岸の最上川のあめ 茂吉
彼岸鐘目高輪になり輪の光り 林火
彼岸鐘草木聞けり鳥聞けり 林火
彼岸会やすべて有髪の墓ならで 静塔
彼岸の日朴の幹にも傷多し 波郷
師を仰ぎ春の彼岸の入盈ちぬ 波郷