垣越にものうちかたる接木哉 蕪村
菜畠にきせるわするゝ接木哉 蕪村
家内して覗からせし接木かな 太祇
ひと真似のおぼつかなくも接穂哉 太祇
そゝこしきあるじが接木おぼつかな 几董
雑巾をはやかけらるるつぎ木哉 一茶
夜に入れば直したくなる接穂哉
椿から李も咲かぬ接木かな 子規
零落や竹刀を削り接木をす 子規
菊作る奴がわざの接木かな 漱石
ゆゆしくも合羽に包むつぎ木かな 漱石
はびこりし李切りすて接木かな 碧梧桐
雲静かに影落し過ぎし接木かな 虚子
造花已に忙を極めたる接木かな 虚子
接木してこち向かぬ父あはれかな 石鼎
木接ぎつつつくと思へず淋しめる 青畝
乾坤の間に接木法師かな 普羅
接木するうしろ姿の昼となる 汀女
黄塵の町のかなたに接木する 汀女