和歌と俳句

前田普羅

獅子舞や戯絵ふせたる机辺まで

薮入に鯛一枚の料理かな

薮入に餅花古りて懸りけり

雪の戸にいつまで寝るや御元日

人の日や読みつぐグリム物語

大雪となりて今日よりお正月

正月の下駄の音する飛騨の峡

正月や杣の遊びのふところ手

松立てて古き馬屋の雀の巣

年立つや吹雪は笛を鳴らし来る

天暗く七種粥の煮ゆるなり

湖の氷をよごす出初かな

まり唄や二百を越せば男めき