元旦のよそほひに坐し炭をつぐ
初詣風つのるさへよしと思ふ
初詣ことしのひかり射さぬ間を
年立てり病の床を敷き更ふる
松とれて日ぐれ夜ふけとピアノ弾く
松とれて雪降りて常の日となりぬ
ことさらのおもひ深雪に年立ちて
新春やまた新しく遺言書
派手を身につけず来し年重ねけり
歳々の輪飾いよいよ余生なり
ねこ舌のおくるる箸や小豆粥
初釜や傘寿の衿を純白に