和歌と俳句

及川 貞

元旦のよそほひに坐し炭をつぐ

初詣風つのるさへよしと思ふ

初詣ことしのひかり射さぬ間を

年立てり病の床を敷き更ふる

松とれて日ぐれ夜ふけとピアノ弾く

松とれて雪降りて常の日となりぬ

ことさらのおもひ深雪に年立ち

新春やまた新しく遺言書

派手を身につけず来し年重ねけり

歳々の輪飾いよいよ余生なり

ねこ舌のおくるる箸や小豆粥

初釜や傘寿の衿を純白に