誰か早ポムプ使ひし初明り
注連はるや神も仏も一つ棚
抜衣紋して薄着なる初島田
大風に羽織かむりて田螺とる
苗床や風に解けたる頬かむり
芽吹く庭胸に打たれし五寸釘
海も山も弥生を待つてゐたりけり
ざらざらと櫛にありけり花ぼこり
黄を尽くしたんぽぽ絮となりにけり
春夜の子起しておけばいつまでも
頬白の嘴より落ちし蝶の羽
門出でて鼻つく闇の蛙かな
春の雷山吹の黄が葉がくれに
干物に木の葉のごとく蜂落ちし
坂に来てもどかしき車や四方若葉
夕若葉かんしやく玉に驚ける
松島の若葉に没す夕鴉
生涯に尊き一と日嶽若葉
胡桃若葉積木の家の並び建つ
遠方の若葉静かや磧行く
光陰は竹の一節蝸牛
大椎の中よりいでし梅雨の蝶
物言はぬ独りが易し胡瓜もみ