阿部みどり女

弾初や爪びきながら老の膝

袂覆うて女しのび泣くはじめ哉

灰に落ちし涙見られし泣初め

顔伏せて春着たゝめる髷太し

幌に降る雪明るけれ二の替

誰か早ポムプ使ひし初明り

母としてねぎごと多し初詣

幌の中に見る小鏡や初芝居

教へ子のみな上手なる手毬

つくばひの氷の上や初明り

弾初や流儀ことなる姉妹

大原の時雨るゝとあり初だより

河岸の風初荷の旗に吹き募る

うたはれし名妓老けたり二の替

門前にこの松ありて初鴉

お愛想の遣羽子遂に面白し

弾初や声つぶれをる老師匠

裁板の切山椒の落葉籠

よき衣衿もと寒し松の内

初鶏にこたふる鶏も遠からぬ

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