餅花にともし隈なき大廈かな
浦波にただよふ羽子のありにけり
妻隠にあづまをくだる傀儡師
初富士に牢獄の扉はめしひたり
松過ぎし勤労の餉にたんのうす
玉の緒のがくりと絶ゆる傀儡かな
朝夕の潮の遠音も羽子日和
働かぬ手にいただくや雑煮箸
佝僂の子の帯うつくしき手毬かな