新年の山重なりて雪ばかり
新年の山襞に立つ烟かな
元日や山明けかかる雪の中
寒竹や芽の向き初日さしにけり
若水や人の声する垣の闇
お降りや新藁葺ける北の棟
世を侘ぶる屋根はトタンかお降りす
何の菜のつぼみなるらん雑煮汁
鍬はじめ椿を折りてかへりけり
買初の紅鯛吊す炬燵かな
若菜籠ゆきしらじらと畳かな
古き世の顔も匂ふや松の内
くろこげの餅見失ふどんどかな
坂下の屋根明けてゆくどんどかな