元日や新苫かけてもやひ船
元日は大吹雪とや潔し
女坂人声のして初詣
ばらばらに飛んで向うへ初鴉
輪飾のかたまり合うて燃えにけり
初凪や艪をおすも亦一水兵
小説を立てならべたる上に羽子
繭玉や夕はやけれど灯しけり
あおあおと春七草の売れのこり
お降りといへる言葉も美しく
薮入の母の焚く炉の煙たさよ
年酒酌むふるさと遠き二人かな
ははそはの母にすすむる寝正月