和歌と俳句

芝 不器男

谷水を撒きてしづむるどんどかな

うまや路や松のはろかに狂ひ凧

筆始歌仙ひそめくけしきかな

松道や織りかけ機の左右に風

ぬば玉の閨かいまみぬ嫁が君

雪融くる苔ぞしもとぞ山始

繭玉に寝がての腕あげにけり

山川の砂焦がしたるどんどかな