和歌と俳句

臼田亞浪

元日や日のあたりをる浅間山

七種や薺すくなの粥すする

初鶏や庫裡の大炉の火明りに

枯葉鳴る静かさに居りお元日

萬歳の鼓森一つ隔てたり

枯枝の日のちりちりに羽子の音

元朝の日がさす縁をふみありく

手毬子よ三つとかぞへてあと次がず

すこし早く起きてさむかりお元日

舞ひ猿の人を見る眼ぞいとけなき

家をめぐりて今年の夕日おくるなり

空たかき風ききながら雑煮膳

初明り火鉢の焔立ち来けり

元日の石蕗にすさべり伊豆の海

富士皓といよよ厳しき年は来ぬ

松の上の雪しづりそめ年来り

松すぎや東京は風荒くして