睡蓮の敷き重なりし広葉かな
一ならび睡蓮の葉の吹かれ立つ
吹き立ちし睡蓮の葉しづまりぬ
足跡を蟻うろたへてわたりけり
つんつんと遠ざかりけりみちをしへ
布袋草分らぬほどに流れをり
見おぼえの山百合けふは風雨かな
綱垂れて馬あそび居り馬子昼寝
烏瓜夜ごとの花に灯をかざし
電車今まつしぐらなり桐の花
水馬水輪ばかりや松のかげ
四五人の心おきなき旅浴衣
烏瓜今宵の花のみな低く
茂みより花に来る蛾や烏瓜
降りしきる松葉に日傘かざしけり
橘の花や従ふ葉三枚
訪へば子沢山なり梅雨の宿
花葵西日さし抜け一軒家
麦埃うすくなりつつ又立てる
青梅や我になじまぬ吾子背負ひ
手つなぎてうかれ通る娘滝しぶき
山百合の見ゆるほどなる山遠さ
彼の山の夕立雲をぬぎかけし
松蝉や幼きころのものがたり
花菖蒲咲ききりたりし花かろく