和歌と俳句

雑煮

神ごころりんと雑煮にむかふ時  来山

初雑煮上戸が里やおそ桜 才麿

正月も廿日に成て雑煮哉 嵐雪

どこに居て雑煮を喰ふぞ隠笠 涼菟

三椀の雑煮かゆるや長者ぶり 蕪村

野一遍雪見ありきぬ雑煮腹 召波

君が世や旅にしあれど笥の雑煮 一茶

最う一度せめて目を明け雑煮膳 一茶

しんしんとすまし雑煮や二人住まい 一茶

塗椀の家に久しき雑煮哉 子規

めでたさも一茶位や雑煮餅 子規

長病みの今年も参る雑煮哉 子規

一学系を率ゐて食ふ雑煮かな 虚子

雑煮腹安宅羅生門と謡ひけり 喜舟

鶲来て枯木うちはゆ雑煮かな 水巴

旅に住みて四方に友ある雑煮かな 水巴

ゆるぎなき柱の下の雑煮かな 虚子

汁なくてあきあきくらふ雑煮かな 蛇笏

元日を煮えこぼるゝは雑煮かな 喜舟

ひとり煮てひとり食べるお雑煮 山頭火

鴨の泥くさきを鴨の雑煮かな 喜舟

具の生海苔御酒にとろりと雑煮かな 石鼎

箸袋かたへに置きて雑煮かな 石鼎

空たかき風ききながら雑煮膳 亞浪

笹鳴を覗く子と待つ雑煮かな 水巴

働かぬ手にいただくや雑煮箸 麦南

草まくら旅にしありて雑煮ばし 万太郎

大勢の子育て来し雑煮かな 虚子

神仏の光りて白し雑煮餅 石鼎

神棚へ供へし雑煮白白と 石鼎

お雑煮や病牀に坐りて主ぶり 草城

雑煮餅坐りて食ふや癒えしごと 草城

聖き名の留学生の雑煮箸 不死男