和歌と俳句

お年玉

年玉や利ぬくすりの医三代 太祇

とし玉や杓子数添ふ草の庵 太祇

とし玉や抱ありく子に小人形 召波

年だまやわび寝の菴の枕上 召波

年玉の十にあまりし手毬かな 虚子

年玉や水引かけて山の芋 鬼城

妻がくれるお年玉とて座り椅子 風生

山寺や高々つみてお年玉 蛇笏

億兆のこころごころやお年玉 蛇笏

年玉の襟一トかけや袂より 万太郎

年玉や半紙手拭がさがさと 喜舟

提げてゆく七草籠やお年玉 淡路女

お使ひの口上上手お年玉 立子

年玉のならびてをかし草の宿 万太郎

年玉の大きな凧のとゞきけり 万太郎

年玉の手拭の染め匂ひけり 万太郎

年玉の襟一とかけや袂より 万太郎

年玉の包みに雪のかゝりけり 万太郎