和歌と俳句

寒の水

見てさへや惣身にひびく寒の水 一茶

喜びの面洗ふや寒の水 普羅

あざらしの潜きたのしむ寒の水 草城

寒水を飲みはなちたる柄杓かな 蛇笏

汲みあふる寒水の杓よるべなし 蛇笏

寒の水かそけきおとに煮たちけり 麦南

ひたひたと担ひこぼしぬ寒の水 麦南

神橋の下寒の水あをかつし 茅舎

ひとり居や映るものなき寒の水 普羅

潦そのまゝ寒の水となる みどり女

焼跡に透きとほりけり寒の水 波郷

寒の水飲みてつらぬくもののあり 爽雨

一塊の毬藻を生くる寒の水 風生

わさび田のまろ石寒の水ながれ 爽雨

寒の水ふくみぬたのみある如し 汀女

飽食にかむせ飲むなり寒の水 爽雨