横乗の馬のつづくや夕がすみ
初午に無官の狐鳴にけり
御仏や寝てござつても花と銭
茶屋村の一夜に出来し花の山
手のごひで引かついだるわかな哉
今春が来たやうすなりたばこ盆
書賃のみかんみいみい吉書哉
北国や家に雪なきお正月
春立や二軒つなぎの片住居
春風や侍二人犬の共
老ぬれば日の長いにも泪かな
曲水やどたり寝ころぶ其角組
先操に花咲山や一日づつ
青天にとつぱづれ也汐干がた
ことしから丸儲ぞよ娑婆遊び
どぶ板や火かげはらはら春の雪
鳴猫に赤ん目をして手まり哉
最う一度せめて目を明け雑煮膳
陽炎や目につきまとふわらひ顔
大寒と云顔もあり雛たち
田楽のみそにくつつく櫻哉
蝶見よや親子三人寝てくらす