藪入や泪先立人の親
街並や雪とかすにも銭がいる
笠でするさらばさらばや薄がすみ
うかれきて鶏追まくる男猫哉
寝て起て大欠伸して猫の恋
春風や犬の寝聳るわたし舟
春風や逢坂越る女講
梅がかやおくに一組わらじ客
つく羽を犬が咥へて参りけり
どんど焼どんどと雪の降りにけり
小庇に薪並おく雪解哉
温石のさめぬうち也わかなつみ
花を折拍子にとれししやくり哉
加賀どのの御先をついと雉哉
山の湯やだぶりだぶりと日の長き
梅どこか二月の雪の二三尺
春風やからりとかはく流し元
人に花大からくりのうき世哉
山焼や夜はうつくしきしなの川
山焼の明りに下る夜舟哉
開帳に逢ふや雀もおや子連
出る月や壬生狂言の指の先