かつしかに行てきかばや郭公 暁台
かつしかや早乙女がちの渉し舟 一茶
かつしかや月さす家は下水端 一茶
かつしかやなむ廿日月艸の花 一茶
かつしかや鷺が番する土大根 一茶
かつしかや川むかふから御慶いふ 一茶
左千夫
かつしかや市川あたり松を多み松の林の中に寺あり
左千夫
かつしかや田中にいつく神の森の松をすくなみ宮居さぶしも
節
葛飾の梅咲く春を見に行かむたどきも知らず一人こもり居
牧水
葛飾の冬田の原の榛の木のくきやかに晴れて日の寒きかも
涼しさは葛飾乙女真菰刈る 亜浪
葛飾の鯉の黒さや寒の雨 喜舟
葛飾や浮葉のしるきひとの門 秋櫻子
葛飾や水漬きながらも早稲の秋 秋櫻子
葛飾の花火ときける夜道かな
葛飾の丘がかくれて稲架立ちぬ 秋櫻子
葛飾の大堤防を焼く日かな 素十
夕ぐれの葛飾道の落穂かな 素十
葛飾の水田かがやき注連作り 青邨
葛飾野蘆火は燃ゆる人ありてか 青邨
葛飾に歳時記を閉づ野火煙 波郷