和歌と俳句

草津

湯けぶりにふすぼりもせぬ月の皃 一茶

牧水
このいで湯 われ等生かすと 病人の つどひ群れたる 草津のいで湯

牧水
上野の 草津の温泉 いにしへゆ 云ひつたへたる 草津のいで湯

牧水
湧き昇る 湯気雲なせる 高原の 草津のいで湯 賑はへるかも

牧水
たぎち湧く 草津のいで湯 おほらかに 湧きあふれつつ 渓川となる

牧水
上野の 草津に来り 誰も聞く 湯揉の唄を きけばかなしも

迢空
病うどの宿せぬ湯屋に 来入り居り、夜を久しく 起きて居るなり

迢空
湯の町にあそべる 人の群れ見れば、疾めるも 人はたのしくあるらし

湯畑の春日にたたむ雪の傘 秋櫻子

岩燕翔け来て幟めぐるなり  秋櫻子

花ゆらぐ白樺立てり雪解風  秋櫻子